毎日欠かさず送る日報メール。たった数行なのに、意外と時間がかかります。人数を数えて、手打ちして、確認して送信。そのうえミスまで起きていました。
この記事では、その日報メールをAIで自動化した実践をそのまま報告します。使ったのは特別なシステムではありません。介護ソフトのカナミックとAIツールを組み合わせただけです。同じような作業に時間を取られている管理者の方の参考になれば幸いです。
Before:毎日10分の地味な作業
AI導入前の流れはこうでした。
介護ソフトのカナミックを開いて、日報ページからその日の午前・午後の利用者数をそれぞれ確認します。支援と介護で分かれているので、合計4つの数字を拾います。それをメールに手打ちして、件名を入れて、宛先を確認して送信。この一連の作業で毎日10分ほどかかっていました。
10分と聞くと大したことないように思えるかもしれません。ただ、これが毎日続くとなると話は別です。年間で換算すると約40時間。しかも単純作業なのに、ミスが起きることもありました。
人数を数え間違えてそのまま送信してしまったことが実際にありました。本部からの指摘で気づいて修正メールを送る、という手間が発生したこともあります。
使ったツールを簡単に説明
今回の自動化に使ったツールは2つです。
Claude Coworkは、Anthropicが提供するデスクトップアプリです。パソコン上で動いていて、話しかけると作業を実行してくれます。今回はここに「日報メールをして」と話しかけることがトリガーになります。
Claude in Chromeは、Chromeブラウザの拡張機能です。Claude CoworkからのAI指示を受けて、実際にChromeを操作する実行役です。カナミックのページを読み取ったり、Gmailを操作したりする作業をこなしてくれます。
After:「日報メールをして」の一言で完了
現在の流れはこうです。
まずカナミックに手動でログインします。セキュリティの観点から、ここだけは自分で行います。ログインしたらClaude Coworkに向かって「日報メールをして」と話しかけるだけです。
あとはAIが全部やってくれます。
Claude in Chromeがカナミックのページからその日の利用者予実データを取得します。午前・午後それぞれの支援・介護の利用人数と予定人数を自動で読み取ります。その後MCPというGmailとAIを連携させる仕組みを使って、メールを自動作成し送信まで完了します。
この一連の作業にかかる時間は10秒ほどです。自分がやることはカナミックへのログインと、一言話しかけることだけです。
失敗から安定までの話
最初から完璧に動いたわけではありませんでした。
はじめはClaude in ChromeがGmailを直接操作してメールを送る方法で試していました。ところが、メールの書式が意図したものと違う形になってしまったり、件名の欄に本文が入ってしまったりという問題が起きました。毎日送るものでこれが続くと信頼性に欠けます。
そこでMCPという仕組みを使ってGmailと連携させる方法に切り替えました。MCPとはAIツールと外部サービスをつなぐための仕組みで、GmailをAIから安定して操作できるようになります。これに切り替えてからは書式の崩れも件名のミスも一切起きていません。
うまくいかないことがあっても、原因を探して別の方法を試す。その繰り返しで今の安定した運用にたどり着きました。
まとめ
毎日10分かかっていた日報メールの作業が、今は10秒で完了しています。しかも人数のミスはゼロです。
10分が10秒になったというのは、単純に作業時間が短くなっただけではありません。毎日のルーティンからひとつの「確認しなければいけない作業」がなくなったということです。その分、他の業務に集中できます。
日報メールのような単純な繰り返し作業こそ、AIによる自動化との相性が良いと感じています。完璧な仕組みを最初から作ろうとしなくていいです。試して、失敗して、修正する。その繰り返しで少しずつ自分の施設に合った形に育てていけます。
小さな自動化でも、毎日積み重なれば大きな時間になります。
